毎朝、鎌倉駅の裏側から御成通りを通って会社に向かうのだが、この通りはおしゃれな服や小物を売っている店が並んでいる。
朝のオープンしたての小物屋のオネーチャン(や、おばちゃん)はこぞって店頭の地面に小物を並べる訳だが、大体のオネーチャン(や、おばちゃん)は店側を向いてしゃがんだ状態で並べているので、ローライズジーンズのせいもあってケツ丸出し。朝っぱらからナマ半ケツがずらっと並んだ通りを通って来なければいけないわけです。
俺位のプロになると、ナマ半ケツが並んでた位で目のやり場に困るなんて事は無いのだが、不快なケツもあるのだよ、という事を不快なケツのオネーチャン(や、おばちゃん)は自覚して頂きたい。
さて、表題の酔っぱらい居酒屋だが、この店は以前2回程チャレンジしたのだが、2回とも失敗していた。
1回目のチャレンジでは、
俺:「ガラガラ(引き戸を開ける音)、空いてる?」
オヤジ:「もうランチやってないよ!」
おいおい、もう夜の8時近いと言うのにランチやってないってどういう事だよ。しかもベロベロに酔ってるじゃねーか。
俺:「飲めれば良いんだけど」
オヤジ:「●▲%?」
俺:「いっぱいそうだから又来ます!、ガラガラピシャリ」
これが一回目。もうなんというか、俺らを見るなりこんな調子だったので、店に入れたくないのかと思った。一見さんお断りみたいな。
2回目は、
俺:「ガラガラ、こんばんは」
オヤジ:「いっぱいだよ」
つーか、見るからにオヤジがベロンベロンに酔っている。
俺:「又来ます!」
「こんな酔っぱらいオヤジが作った料理なんか怖くて食いたくないよな」、と(ka)と話、納得しながら、うなずきながら別の店へ向かった。(別に悔しくないぞ)
と言うことで、先日が3回目のチャレンジ。話のネタになればいい、どうせまた入り口で断られるだろう位の勢いで向かったのだが、なんとなく今日は入れそうな雰囲気。
「どーれ今日のオヤジはどうなってるかな?」と入り口に向かうと、何故かオヤジがそこに立っており、目が合ってしまった。うほっ。
確認すると、隣のアーケード入り口のシャッターを閉めている。
「これはチャンスだ、今入れば変な茶々を付けられる心配が無い!」
後ろを振り向いて(ka)に「入れそうだぞ!」と小声で伝えたら、無神経にも「どーですか!今回は入れそーですか?!」とオヤジの存在に気付かずに大声で問いかけてくるし。
「このオヤジ、酔っ払ってるのは良いが、酒乱気味なタイプだったら、今の発言で怒り出してメンドクサイ事になるんジャマイカ?」
という考えが一瞬脳裏をよぎったが、ベロベロになっているオヤジの耳には全く届いていないのであった。もしくは届いていても頭がパーになっていただけかもしれない。
さて、3度目の正直で店に入れた俺らは、早速カウンターに座り、チャレンジ開始だ。
まずはビールを注文。サッポロとアサヒがあると言われたのでサッポロを指定。スーパードライなんか飲まないぞ、なにか鉄っぽい、薄っぺらい味だから、なんて通を気取った発言はしない。
壁を見ると黒板が掛かっており、いかにも新鮮・オススメですよ然と構えているので、その中から「シマアジ刺」と「生イカ刺」を注文した。
初めての店で落ち着かず、ビールをガブガブ頂いてると、まずシマアジが出てきた。そのシマアジをシゲシゲの眺めた後、二人顔を見合わせると(ka)がボソリとつぶやいた。
(ka)「チルドですよね・・」
俺「たしかに・・」
(ka)「少し放っときましょうか」
俺「そうしよう」
これがオススメか?!というか、黒板を見直したら「オススメ」なんて文字はどこにも書いてない。これは生イカ刺も期待できないなぁーという雰囲気でビールばかりをガブガブ飲んで3本目の注文をしたところ、「もうサッポロは無いからアサヒで良いか」との事。ちょっ!サッポロあるって!2本しか無かったのかよ!
目の前ではオヤジが何やら冷蔵庫の奥から何重にも包まれたビニール袋を取り出し、頑張って開いていた。
「まさか、あれはイカを探してるんじゃ無いよなぁ。生イカだから生だよな」
と脳内で心配しながら(ka)と雑談していたら、オヤジが店のおばちゃんに金を貰ってどこかへ行ってしまった。
暫く気にしないで飲んでいたのだが、
俺:「オヤジ全然戻ってこないよな?」
(ka)「そうですね」
ここで、二人とも、
「ああ!イカ買いに行ったのかよオヤジ!!」
と気がついたのであった。さっきおばちゃんとなんかしてたのは金貰ってたのか!と。
まぁでも、あんないつまで生だったのか分からないイカを刺身で出されるより良いし、俺と(ka)の場合つまみが無くても酒がいけるタイプなので、問題無くビールを飲んで待っているのだった。
長くなってしまったので、つづく。
明日は、「酔っぱらい居酒屋 後編」の心だぁ〜〜!!(c)小沢昭一